ドボルザークとマエストロとジャズ

先月、無事にベートーベンとシューマンのピアノコンチェルトのコンサートを終え、今月はドボルザークの交響曲七番、スラヴ舞曲、序曲「我が家」に出会い、先週こちらのコンサートも終えました。前回は生徒さんが指揮をしていたのですが、今回からはクイーンズカレッジの講師でもあるマエストロ、モーリス・ペレスが指揮をしました。マエストロはレナード・バーンスタインのお弟子さんで、あの小澤征爾さんと兄弟弟子だったとか。もう85歳になるのに彼の指揮はもの凄くて、辛口でよく怒られたりもするけど、マエストロの音楽性を感じられるすごく貴重な体験でした。あの音楽に対する情熱は素晴らしいです。今月のドボルザークの楽曲はどれもみんな美しく、深く、聴いていて涙が出るくらい心の奥底を震わせてくれるものでした。私がいつも演奏している曲たちとは違って、クラシックのほとんどの楽曲は「交響曲第◯番」とか題名がないもの(それが題名なのだけれど)が多いけれど、題名が明確にわからない分、いろんな想像ができていろんな情景が浮かんできます。まるで映画を観るか、本を読むかの違いみたいですね。そんなドボルザークの楽曲のニュアンスをしっかりと捉えてオーケストラに伝えるマエストロ。聴きながら、弾きながら、音楽にうっとりしてしまいます。そんなマエストロをいつも遠くから見つめているだけではなく、直接お話しを聞いてみたい!と思っていつも生徒に囲まれている彼を見ていつもタイミングを逃す私。休憩時間になるたびにそわそわしていました。そんな中、リハが終わり忘れ物を取りに行こうとホールへ戻ったら、生徒に肩を担がれながら出てきたマエストロにバッタリ。慌てて何を伝えようか迷ったけど、出てきた言葉が、「いつもありがとうございます。いつもとても勉強になっています。」そうしたらいつも大きな声で怒っているようなマエストロが、まるで孫を見つめるおじいさんのような眼差しで顔をしわくちゃにして微笑んで私の肩に大きな手をかけてくれました。 そんな85歳になる巨匠が、「次のセメスターではベートーベンの第9をやることになった。この歳になると生きていくための目標が必要になってくる。神様が私に新たな目標をくれた!」と、オーケストラの前で話していた。私もぜひ彼の指揮の元、この世の大作演奏してみたい! ところで今月はWomen’s history monthらしく、ジャズ界も女性を集めたバンドで結構演奏しています。私もオーケストラに参加する傍ら、ジャズをやったり今月はバタバタとしていました。オーケストラで鍛えられたのか、前より集中力がついてドッシリと構えられるようになってきたような気がします。NYも女性ミュージシャンたくさんいますね。みなさん頑張っています。 後、以前お知らせした、The OKB TrioのOこと、ピアニストのオスカー・ペレスのアルバムが発売されました。日本発上陸です。姉が地元のイオンモールで見つけた!って言っていたのでみなさんの近所にも売っているかも。 大好きなオスカーのピアノが日本の皆さんに聴いてもらえるチャンスができて嬉しいです。とても素晴らしいアルバムで聴きどころ満載です。特にオススメなのが日本盤限定ボーナストラック。なんと私が参加しています!ぜひぜひ聴いてみてください。では、また。