NYの幼稚園と日本の幼稚園

 Withコロナの生活が定着してきた今日この頃。ですが、日本全国、都内感染者がまた増加していて安心ができないですね。そんな中、子供達が通う幼稚園も先生方の涙ぐましい努力のもと、再開しました。毎日「やったー!今日は幼稚園だ!」って出かけていく子供達を見るのは嬉しいものです。

 私は今年帰国するまでNYで子育てをしていたので、NYの学校(いわゆる幼稚園)と東京都八王子市の幼稚園の文化の違う2つの幼稚園を体験しています。全く正反対なので面白いと思い、今日はシェアしてみたいと思います。

 まずはNYの学校。今五歳の娘は4歳になる年に1年間プリスクール(Pre-K)に通い、翌年からはキンダーガーデンに進みました。キンダーは9月から引っ越すまで5ヶ月しかいなかったですが、そこからは八王子市にある幼稚園に通っている現在に至るというわけです。

 学校や幼稚園は学区などもありますが、選択できるなら絶対に見に行ったほうがいいですね。私は「感覚を使って」選びます。Pre-Kを決めた時は、近くの学校には入れずにやけに遠いところに登録されてしまい困っていたのですが、いい学校かもしれないので見に行ってみることに。アメリカは場所によって貧富の差が激しく(今それがとても問題になっていますね)、教育も友達も治安も変わってくるので学校選びも慎重になります。治安が良さそうでも学校で銃乱射事件なんてアメリカでは起こるので怖いです。なので私は「感」を頼りに決めます。そこの学校は行ったこともない、ブルックリンでも随分南の方のPre-K。案内してもらうと、明るい校舎にたくさんの子供達の作品、何より雰囲気が良くてワクワクしてきました。何より先生たちの温かい眼差しが印象的で遠くてもここにしようと決めました。

 アメリカの学校は小学生までは親の送り迎えが必須。娘が通っていた幼稚園へは雨の日も風の日も雪の日も自転車で通っていました。もちろん電動ではないアナログな自転車なので最初は汗だくになり、結構いい運動になりました。

通わせてみたらやっぱりいい学校でした。毎月トピックがあって今月は『建物』といろんな建物を勉強したり、研究したり、作ったり。『リサイクル』『生き物の成長』『乗り物』などなど。たくさん遊ばせてくれて、遊びを通していろんなことを学ばせてくれるいい学校でした。

卒園式の様子。ザ・アメリカンな感じでしょ?歌やダンスを披露してくれてあの一生懸命な姿に私たち夫婦は号泣してしまいました。 英語が全く分からないまま、放り込まれた世界に馴染み、たくましく楽しく、Pre-K生活を送っていた娘に頭が上がりません。

 幼児期、泣き虫だった私には同じこときっとできなかっただろうな。。。

 Pre-Kはこの字の通り、プリ・キンダーガーデン。学校に慣れるために通わせる学校ですね。すっかり学校での集団生活に慣れた頃にいざ、キンダーガーデンへ。

 学校にもよると思いますが、うちの娘が入った学校はキンダーガーデンへ入った途端、お勉強モードへシフト。

やっと自分の名前が書けるようになったかな?くらいの子供達が毎日のように宿題を持ってくるではありませんか!英語と算数の宿題を毎日。日本の教育で育った自分には理解不明!こんな小さな子に毎日鉛筆持たせてお勉強?私なんて幼稚園でただ走り回っていただけなのに。ママ友によるとNY市のキンダーガーデンはどこも同じ。毎日宿題があるらしい。しかもテストまであって成績表まであるではありませんか!絵を描くのが大好きな娘の作品もだんだん減っていったのはこのころからだったかな。

郷に入っては郷に従え。

このころの娘は「学校に行くのはあかりのお仕事なんだよ。」といっておりました。幼児期は思いきり遊ばせてあげたいと思う親御心はそのころ大きく揺さぶられました。それでも毎日宿題をこなしていくので、こんなにチビでも簡単な文章を英語で書けるようになったし、足し算もできるようになりました。いずれ学ぶのだから、やりたくなきゃ、やらないでもいいと思ってはいましたが、真面目な性格なようで嫌な時は殴り書きしてまで毎日宿題を持っていっていました。

 引っ越す前の1ヶ月は英語の補習クラスが授業が始まる前にあるということで、ダメ元でやってみたら?と話してみたら、やる!というのでその一週間は日が昇る前に家を出ていって朝から人より勉強をしていました(涙)おかげで親が娘に教えてもらうほど、発音がしっかりしました。20年もアメリカ生活していた大輔さんの発音は娘によると「全然だめ」らしい(笑)

でもいい友達にも恵まれ、先生も大好きなようで、引っ越すことを伝えたら先生を含めた家族みんなで涙ぐむなんてこともありました。これはこれでいい学校。

 そんなこんなで今に至るわけです。娘に加え、今度は3歳児枠で息子も東京都八王子市にある『なかの幼稚園』に入園しました。

アメリカ生活18年の私が行ってみたこともない地域の幼稚園探しなんて目をつぶりながら水の中の魚を捕まえようとするようなもので、???でした。家族の協力のもと、いくつか候補を出してくれていて、第一1候補がっこの幼稚園でした。幼稚園バスのバス停まで手繋ぎ。この姿に毎日癒される母です。

 登園初日は文化の違いにカルチャーショックを受けるか?と思っていたのですが、バスから降りてきた娘は大きな笑顔で「楽しかった!」と。おちゃらけまくってご機嫌で相当楽しかった様子でした。

ここの幼稚園って自由でいいらしいね、と噂は聞いていたのですが、どのくらいの自由なのかはよくわかっていませんでした。私服だからか?自由時間が多いからか?

弟の孝太郎も初めて親元を離れても毎日楽しそうに出かけて行きます。

 自由な幼稚園?その謎が解けたのは、孝太郎の一日入園の日でした。1日入園と言っても慣らし保育で何日か2、3時間親と一緒に幼稚園を体験するというものでした。その時に、朝、年長の娘と園庭で別れ、私は孝太郎とクラスへ。テラスで遊んでいると、すぐに園庭で遊んでいる娘。「どうしたの?朝の集まりないの?」と聞くと「集まりの時間まで遊んでていいのー!」と。それがずーっと部屋に入る気配のないまま時が経ち、砂場で遊んでる子もいれば、部屋の中で空き箱で作品を作っている子もいる。そのうち「ドロケイ(ケイドロ)やるよ!」の掛け声に急いで帽子を教室に取りに帰り、靴を履いて飛び出してくる娘。先生と友達と思いっきり鬼ごっこをやって楽しそうでした。そのうち、なんか疲れちゃった、って私と孝太郎のところに来て一緒に砂場で遊んでみたり。先生に聞いてみると、「いつもこんな感じですよ〜。」とニコニコ顔。体験入学が終わってからは「あかり〜、遊ぼ」と孝太郎がお姉ちゃんのクラスに行ったりもするらしいです。ちびたちを何十人も自由にさせておく方が大変そうですが、先生たちはすごい寛大に見守っていてくれています。素晴らしい。

 今までの学校とのギャップにびっくり!そりゃ毎日楽しいはずだ。でも楽しいだけじゃなくて毎日お手伝いも進んでしてくれるようにもなったし、弟の面倒も良くみてくれるようになった。。。すごいな。もちろん、クラスで集まって本を読んでもらったり、何かを作ったりすることもあるようですが、子供主体の幼稚園。今までは土さえ踏めず、コンクリートやゴムの地面で走り回っていた子供達。ここに引っ越してきてからは2、3日に一度のペースで泥だらけの靴をニヤニヤしながら洗う私です。今日はダンゴムシとミミズなんびき捕まえたよ!とかジャガイモ植えたよ!とか、そうそう、私はこういう風に子供達を育てていきたかったんだって実感しています。

あかり作のおもちゃ。すごく機能的でクオリティの高さにびっくりさせられます。園長先生まで作るのを手伝ってくれたみたいです。弟のおもちゃまで作ってくれる心の余裕も感じられます。

一体、どんな子供達に育つのでしょうか?楽しみです。

そうそう、子供達が留守の間に音楽制作もしてます。本業ですからね。天狗が見守ってくれている街より愛を込めて。ぜひ聴いてください。