子供ミュージシャン

 先日の朝は久々にJazz Standardの”Jazz for Kids”という小学生にジャズの楽しさを教えるイベントで弾いてきました。普段夜の仕事ばかりなので朝から楽器を持って歩いているととても清々しいです。到着すると、お店のまわりには数台のスクールバス。子供たちはわたしたちよりも早く到着していたようでお店が開くまで外で並んで待っていました。見慣れない大きなベースをみてみんなは一斉に、「Woooooow!!」お店のドアが開くまでの数分間子供たちは好奇心旺盛でもうすでに質問の嵐。お店が開いて早速ケースから楽器を出してみると、、、また一斉に、「Woooooow!!」楽器を出しただけでこんなに大勢の人に「Woooooow!!」なんて言われてしかも弾いてもいないのに、小学生にすっかりのせられてしまっている30目前の私。ようやくバンドメンバーがそろい、イベント開始。アイルランド出身のピアニスト、フィンタンがこのイベントのボス。今回はサックス、エイブラハム・バートン、ドラムがトニー・ルイス。メンバーが楽器をセットアップするたびにみんなで「Woooooow!!」。元気いっぱいの小学生を相手にフィンタンもエイブラハムも陽気に楽しくイベントを盛り上げていく。「この曲なんだかわかる人手を上げ・・・」なんていった瞬間からみんな一斉に、「ミー(私/ボク)、ミー、ミー!!」元気一杯です。こんな調子で一時間が経過し、最後に質問タイム。私が軽く楽器のことを説明した後、フィンタンが「それでは久里子に質問がある人」って聞いたらまた小学生たちは「ミー、ミー、ミー!」。じゃあ君!って当てられた子が運悪くすごく賢そうな顔している子供でわたしを純粋で透き通るような目でまっすぐ見つめながら、「なんでベースはそんなに低い音を出せるの?」「電気通して音出してるの?」「どこから音が出ているの?その穴から?」「弓で弾く時、弦が震えているけど、どうなって音がなっているの?     なにか空気との関係があるの?」等一人の小学生から次々に質問攻めにされて私が小学校低学年だったときに算数の授業のときに先生にわからない問題を当てられて立ち上がったままずっと黙り込んでしまった苦い思い出を思い出した。「ほら、こうやって。。。」って弓を取り出して弾いてみたり、大人としてどうにかして質問に答えていったけど、内心は「おばかなおねえちゃんでごめん!もっと勉強してから出直します!」って手には汗をかいていたのよ。弓で音を出したら子供たちもまた「Woooooow!!」と感心してくれてどうにかその場を切り抜け、「はい!」と次に当てられた少年は、「じゃあ、その弓を使ってなにか曲を弾いて下さい」やるなあ、子供。調子に乗って弓なんか引っ張り出してくるんじゃなかった。おねえちゃんは一応毎日弓で練習はしてるけど、君らの求めているセサミストリートやピンクパンサー、バッハの曲なんか(見ないで←見たら弾けると思うよ、多分)弾けません↓手にさーっと冷や汗を書きつつ、ここでも大人の意地、子供たちの期待のまなざしに答えるためにドレミー、ミファソ、ラーシードー。って精一杯偉そうに弾いてみたところ「Woooooow!!」大成功。なんて感じで子供たちにすっかりやられた昼下がりでした。 ところで、最近はまだこの世に生まれてまだ数年なのにモンスター級にすごい子供ミュージシャンもいるみたいですね。Youtubeで見たりしてビックリしています。高校生くらいのすごいミュージシャンもたーくさんいるんですね!わたしなんて十数年毎日毎日練習してきてやっといろいろわかり始めてきたところなのに。 この少年は近所の少年です。うちの近くの駅でよく見かけます。おとうちゃんがチップジャーをもってチップを回収したり、CDらしきものを売りに回ったり。幼くして家計を助ける少年。この子の十八番はマイナーで物悲しいクラシック。なんだか切ないです。早く大物になれるようにいつも祈っています。 さて、この子はもっと小さいミュージシャン。1歳です。わたしのかわいい甥っ子。しんちゃん。トロンボーン吹いちゃうんです。将来どんな子になるのか楽しみです。 がんばれ!ちびっこミュージシャン! わたしもがんばろうっと。