新たな挑戦

今年に入って素晴らしい出会いがありました。こんな素晴らしいものになんで今まで気づかなかったんだろう。一緒に時間を過ごせば過ごすほど、もっと知りたくなり、好きになる。思い出すだけで、はぁ〜っとため息が出て、胸が熱くなる。そして時にはキューっと胸が締め付けられるような感覚になる。こんな感覚はすごく久しぶりです。 実は今月からクラシックを習い始めました。先生につくのはバークリー卒業以来10年ぶりです。そしてひょんなことからなんとクイーンズカレッジのオーケストラに参加することになり、毎週2回のリハーサルが始まりました。 恥ずかしながら今までジャズやポップス、R&Bばかり聴いていて、ちゃんと聞いてもいないのにクラシックは難しい音楽だと決めつけていました。ところが、冒頭でも書きましたが、私の心を大きく揺さぶる素晴らしい音楽に久しぶりに出会えて毎日ドキドキしています。 人生初のベートーベン。譜面をもらい、ビックリ!なんと15ページも!クラシックをやっっている人からしたら当たり前で笑われてしまいそうですが、私は曲を覚えて譜面なしで演奏をしてきたジャズミュージシャン。譜面台を置くことすらダサいなんて思ってたし、譜面があったとしても4ページもあったらどうやってページめくるのよ!ってブツクサ文句も言いたくなる世界にいる身からしたら15ページもある譜面が何かの間違いなんじゃないかと思ってしまいました。しかも一曲に何楽章もあるから長い。30分くらい。そんな、なんのクラシックの知識もない人間がオーケストラにいきなり入ったので右も左も分からない留学生みたいな感じでした。 最初に先生からオーケストラのお誘いを受けたときに私にできるか不安で、音符で埋めつくされた真っ黒なページを見たときは正直無理だと思いました。譜読みも得意な方ではないし。でも先生が、「ここはゆっくりだから大丈夫、できるよ。これやってたら絶対もっともっと上手くなりますよ。」というコメントに背中を押され新たな世界に挑戦が始まったというわけです。(真っ黒なページは先生の言うとおり確かにゆっくりだったのですが、他のなんてことなさそうなページがかなり難しかった。) オーケストラのベースと今までやってきたジャズのベースは全く違うアプローチなので学ぶことがかなり多いです。毎回リハーサル、レッスンを終えて帰ると目がキリッとして人相まで変わっているらしいです(笑)しかもこのリハはもちろんリハというからには本番があるわけで、毎月2回ものハイペースでコンサートがあるみたいなのでかなり鍛えられています。今月はベートーベンの交響曲第4番とシューマンのピアノコンチェルトとトルコの現代音楽の3曲。どの曲もいろんな表情があって優しくて時には楽しく、美しく、暖かい。遠い昔から今もずっと愛されている理由がやっとわかりました。毎月曲目が変わるので新しい曲に出会えるのが楽しみです。聴くのもいいのですが、オーケストラで弾くとまたこれが鳥肌が立つくらい素晴らしいのです。 レッスンでは初心に戻り、スケールから。今まで気にもなってなかったクセを治し、ゆっくりと一つ一つの音を大事にするということを学んでいます。 練習に夢中になりすぎて、「は!ご飯作らないと!」なんてこともしばしばですが、これからも頑張っていこうと思います。