今年の夏

今年もNYに短い夏がやってきました。夏の日差しからたくさんのエネルギーをもらえる気がします。うっかりシミを増やさないように気をつけないと。NYの夏のいいところのひとつは野外で無料でいい音楽が楽しめること。長くて厳しい冬を耐えたご褒美みたい。今年は先月にセントラルパークのサマーステージへ行ってきました。 ライブなんて娘が生まれてから行ってなかったからこんなありがたいチャンスは見逃せません。この日はロイ・ハーグローブ、ミッシェル・ンデゲオチェロを見に。屋台でアイスクリームを買って(本当はビールがよかった)ドキドキワクワク。とっても贅沢な1日でした。写真は日陰に避難した親子。クレヨンしんちゃんみたいな横顔の娘。一回も泣かずにライブを堪能していました。他にも赤ちゃんたくさん来ていたのですが、どの子もみんないい子にしていました。 子育ての方ですが、娘は8ヶ月になり髪の毛が更に増え、総立ちの茶髪ヤンキーヘアが60年代のビートルズのマッシュルームヘアに変身しました。あんなにヒラヒラしていたのに今では力強い匍匐前進で母を追いかけてきます。離乳食もモリモリ食べ、すくすくと育っています。今までずっと寝転んで過ごした毎日から一転、自分の力でどこへでも行けるようになったから目が離せません。お腹に雑巾でもつけたら掃除いらずになるかというくらいどこへでも行ってしまいます。好奇心も旺盛で自分のおもちゃより空のペットボトル、アルミホイルを丸めたもの、プラスチックの輪っかなど渋いものが好きなようです。中でもベースがお気に入り。わたしが弾いてても遠くから匍匐前進でやってきてバシバシベースのボディを叩き、あー、と言いながらベースをペロペロ。歩けるようになったらどうなるんでしょう。 そんな我が家もついに機材を揃え宅録を始めました。とても小さな規模ですが、夢のホームスタジオです。子供が生まれるもっと前からやっておけばよかったのに、なぜ赤ちゃんが生まれた今始めたのかは謎。この夏にデュオのミニアルバムを録るということを目標に夫婦デュオプロジェクトが始まりました。まずはテスト録音。マイクを2本づつ立て、真ん中の2メートル四方のカーペットにありったけのおもちゃをばら撒き四方をテーブルや使ってないアンプでブロック。その中に娘を遊ばせ、いざ録音!いい感じのしっとりとした大輔のイントロ。そこへわたしがアルコで。。。と思ったらホントいいタイミングで、♫むーすんで ひーらいーて♫「あー、音の出るおもちゃ。。。」バッサバッサ!!「あー!お母さんの本!!グチャグチャ(T_T)」なんて自分もセッションに参加したかったみたいです。楽しかったのは親だけではなかったようで、テストレコーディングが終わった後もいつもに増してご機嫌でニコニコしてました。将来阿部トリオでツアー回れたら楽しいな、なんてすでに期待しています。 ここでお知らせです。来る9月に約2年ぶりにツアーをすることになりました。今回は4公演しかないのですが、久しぶりにメンバーと演奏できるのが楽しみです!!今回はお馴染みのUoUの曲や新曲、新たに生まれ変わった曲など披露する予定です。スケジュールです。9/14 Motion Blue YOKOHAMA9/18 吉祥寺 SOMETIME9/23 御茶ノ水 NARU9/24 後日お知らせツアーのプロモーションビデオもぜひ見てみて下さい。日本にいるみなさんとの再会楽しみにしています!!

母、ブルーノートのステージに立つ

長かった冬も終わり、NYにもようやく春が来ました。新緑でとお花でいっぱいのいい季節。やっぱりこの時期のNYが一番いいですね。 昨日はボーカリストのR’Kardo St VonとブルーノートのLate Night Groove Seriesで演奏してきました。実は昨日がわたしの初ブルーノート。憧れのミュージシャン達が演奏をしてきたあの歴史的なジャズクラブ、ブルーノートに出演ができるなんてとてもありがたかったです。 その日は昼寝をしない大人のような生後6カ月の娘の子守りをし(最近は練習をしてても遊んでくれって叫ばれるんです)、お風呂に入れて8時に寝かしつけて、限られた時間の中で曲の復習。いつもよりちょっとオシャレして11時にベースを担いで家を出ました。前のスタンリー・クラークバンドが押してしまったので私たちの本番が始まったのは午前1時。終わったのが3時で家に着いたのが午前4時。寝てる家族を起こさないように静かにシャワーを浴びて急いで寝たのが4時半。朝7時に娘、起床。大輔が10時くらいまで寝かせてくれたのですが、ちょっとハードな1日でした。でもやっぱり人前で演奏できるのって最高です。 バンドメンバーは全部で11人。バックグラウンドシンガー以外ほぼ全員がカリビアン系。キーボード、ギター2人、ドラム、ベースとなんとスティールパンが入った大部隊でした。演奏した曲の中にはカリプソもあったのですが、やっぱり本番のミュージシャンと一緒にやるのは申し訳ない気分でした。また勉強しないと。このバンドでは譜面を自分で用意しないといけないので子育てしながらはなかなか大変でしたが、とてもためになりました。 母になり今までよりも限られた時間の中で練習しないといけなかったり仕事も前より自由にできなくなってしまったけど、外に出たら楽しい仲間達と音楽が楽しめ、家に帰ったら楽しい家族がいてくれて本当にありがたい毎日です。初めての子育てで胃が痛くなるほど悩んだこともあるけど、毎日楽しくって幸せです。お母さんがんばるよ!みんなの集合写真。

復帰

出産からあっという間に4ヶ月。 娘あかりは日に日に成長して毎日できることが増えてきました。娘の成長を発見するたびに夫婦揃って感動している親バカです。赤ちゃんに微笑まれるととろけちゃいますね。私の体調も出産したことを忘れるくらい回復して娘も落ち着いてきたので先月から少しずつ仕事復帰しました。新生児はとーっても手がかかるのでずっと家にこもりっぱなしだったけどまた外に出られるようになってかわいい娘を置いて外に出るのは後ろ髪を引かれる思いですがいい気分転換にもなっています。大好きな音楽を仕事に生活しているなんて本当にありがたいなと改めて思いました。 復帰後、ママクリコの大イベントはなんとピアノトリオのレコーディング!以前このブログでも紹介したコラボバンド、The OKB Trioのファーストアルバムのレコーディングです。妊娠中からレコーディングまでにブランクを埋められるか全く想像がつかなかったので心配だったのですがもうやるしかない!赤ちゃんがいる生活って24時間勤務みたいなものなので前みたいにゆっくり練習なんて呑気なこと言ってる暇もなく、チャンスを見計らってはベースを弾き、娘が寝静まってから夜すご〜く小さな音で練習したり。そんなこんなで実は全然心の準備できてなかったのですが(プロとして恥ずかしー!)レコーディングしてきました。週に2度くらいしか仕事に行かないのに行く日は必ず雪!この日もベースを担いで雪の中に突入!雪の中ベース持って歩くのも慣れたものです。こちらはブルックリンにあるまだ出来たてホヤホヤのレコーディングスタジオです。私たちが初めてここでレコーディングしたミュージシャンなんだって!友人で素晴らしいドラマーでもあるChris Benhamがなんと自分の手で作り上げたスタジオ。すごいクオリティにみんな驚きを隠せませんでした。オープンするまでに2、3年の歳月をかけて頑張っていました。まさにDIY。私たちのために大急ぎでスタジオを完成させてくれました。バンド三人ともレコーディングが終わってもずーっと感心してしまうほどの素晴らしいスタジオ。とっても凝った造りなので音もいいし、気持ちがいいし、手作りなのであったかいし。オススメのスタジオです。OKBの”O”ピアノのOscar Perezそして私のブースから見える”B”ドラムのBrian Woodruffで、”K”。 ピアノトリオでのレコーディングはとっても緊張しましたが、やっぱりこの3人で演奏するととても楽しいです。しばらく眠っていたいろんな音楽の引き出しを開けてくれたような気分で演奏できました。三人ともバックグラウンドが違うので個性があってとても面白いバンドです。オリジナルも各自持ち寄って録音しました。私の新曲はたった8小節の曲。さてマジックは起きているか?!乞うご期待。最後にみんなでセルフィー(自分撮りすること。日本でも使いますか?)。写真は左からこのスタジオのオーナー兼ドラマーのクリス、ピアノのオスカー、このバンドのリーダー的存在のブライアン。凸凹トリオですが、いい感じに録れました。出来上がりを楽しみにしていて下さい。ではでは!

新しい命

サンクスギビングデーで明日に控えた今日のNYは雪模様。
今日は報告があります。

実は3月に妊娠が発覚し、10月30日に元気な女の子を出産しました!!
こんなわたしも母になり、毎日子育て奮闘中です。

このブログでもお伝えした卵巣膿腫もこの子が教えてくれたのか、妊娠中に発覚して手術に至ったというわけでした。

妊娠中はどんどんお腹も大きくなってきたのでベースをかまえる体勢も変えないといけないほどでしたが、妊娠9ヶ月までギグを続けていました。お腹にはかなり音が響いていたのか、アルコでクラシックの練習中にギギっと変な音を引いた瞬間お腹の中の小さなコーチにキックのツッコミを入れられたこともありました。

そしてさらにお腹が大きくなりベースを弾くのもしんどくなってきても臨月過ぎまではレッスンの仕事もしていてそっちのことに忙しく、産休してから出産の準備をしようなんて考えていました。

10月29日、大輔の参加しているバンドのCDリリースパーティがあったので遊びに行きました。お腹の赤ちゃんもドラムがなるたびに、サックスが聴こえるたびにトントンとお腹を蹴って興奮していた様子。「お父さんのギターかっこいいねー。外の世界はいい音楽があるし楽しいよ!」なんてお腹を撫でながらライブを楽しんでいました。お腹は重くなってきていたけどまだ予定日まで3週間もあったので余裕で夜まで出歩き帰宅したのは夜12時過ぎ。明日のレッスンが終わったら産休だ。とのんきに考えていました。

するとその後、まだみんなが寝静まる朝方まさかの異変が!

どこも痛くないけど、控えめに水が漏れてきているような。。。しかも止まらない。
寝ている大輔を起こし、妊婦用の雑誌を開き「出産の兆候」のページを凝視。それでもわからなくって焦って日本にいる姉に電話してみたら「それって破水じゃない?病院に電話したほうがいいよ!」って!

ドキドキしながら病院に電話してみると今すぐ来てくださいとのこと。まさかの出来事に唖然。入院の準備すらしていなかったので大輔が慌ててバッグにパッキングを始めてくれたんだけどパニくっていて何を詰めていいかわからない様子。そりゃそうだよね。

タクシーに乗って病院に到着。受付で問診を受けている間もお腹から水が滴ってきていました。ナースに今日生まれちゃうんですか?ってきたら生まれるんじゃない?と。私の人生サプライズはちょくちょくあるけどこんなにビックリしたのは初めてでした。それとわたしのお腹を何か月も蹴っていたあの子に対面できると思うとワクワクドキドキしました。

破水から始まったので陣痛促進剤を打たれてあっという間に陣痛の間隔も短くなり、もう結構お腹痛い!というくらいになっても先生は初産なら時間かかるから生まれるのは明日になるかもね、なんて言われ話しをかわされました。

それから2時間後、更にお腹が痛くなって何かとてつもなく大きなものが私の体から出てこようとする圧迫感から身体中が勝手に大きく震え始めて、陣痛が来るたびに横のバーにしがみついていないといけないほどに。何度も先生を呼ぶようにナースに頼むけど「まだまだよ。こんな早いはずがない」と信じてもらえず、しつこく先生を呼ぶように頼むと仕方ないわね、と先生を呼んでもらいました。すると先生は「あら、もう開いてるわね。じゃあ準備しないと」と。だから言ったのにー!と思いながらぐーっと大きな波に耐え先生が席を外した後ついに我慢ができない状態に。

そうしたらナースに左足を、大輔に右足を抱えられ、「プーッシュ!!」と分娩開始。こんな感じで始まるの?!ってくらいカジュアルな感じで始まりました。そしたら先生が「頭出てきたよ!わあ、すごい髪の毛!触ってみる?」って。こっちはそれどころじゃないし、いいよって断るも、もう一回しつこく聞かれたので手を伸ばして触ってみるとなんだかモシャとしたものが。それからおよそ25分後、

「おぎゃあ!!!ぎゃーーー!!!」

と髪の毛がたくさん生えた我が子が誕生してきました。

取り上げられた赤ちゃんをナースがわたしの胸にポンと乗せてくれました。嬉しくって涙が溢れるというより、実感が湧かなくって呆然としてしまいました。なにしろ全てが急でしたから。

ベビーベッドも用意してなかったし、肌着の着せ方すら知らぬまま2日後に退院(アメリカの病院はこれがスタンダード)。その4日後に助っ人の母が日本から来てくれたり、友人からの助けのおかげでもうすぐ我が子は生後1か月。私たちもようやく育児を楽しめる余裕も出てきました。小さすぎて壊れてしまいそうだった我が子が日々成長してたくましくなっていく姿を見て感動しています。また自分が親になって両親のありがたみがさらによくわかるようになりました。おとうさーん、おかあさーんありがとう!!(T ^ T)

あかちゃん、生まれてきてくれて本当にありがとう。
これからも賑やかになった阿部ファミリーをよろしくお願いします^_^

お久しぶりの近況報告とお知らせ

 前回のブログ更新から大分時が経ってしまいましたが、元気にしています。もうすっかりNYも秋です。ファーマーズマーケットには鮮やかな色をしたパンプキンが並び始めました。これからまたあの長い冬が来るんだと思わせる涼しい風が吹き始めています。 あれからまたいろいろ生活の変化があり、8月からあるミュージックスクールで週2日、15人の少年たちにソルフェージュと音楽理論を教え始めました。今まで演奏一本でやってきたので(ボストンにいた頃1人だけ教えたことはあったのですが)、先生と呼ばれたことなんてなかったけど、案外「先生」って呼ばれるの嬉しいものですね。最初の方は緊張していた少年たちも最近は打ち解けてくれたようで毎回元気いっぱい動物園のように賑やかな中音楽を教えています。それにしても人に教えるということは本当に大変ですね。学校の先生なんて私が教えている倍の人数を毎日見ているんだもん。尊敬します。毎回のクラスの準備も結構大変です。学校行っておいて本当によかった。あの時教わったことを毎レッスン前におさらいできてちょうどいい機会かもしれません。 写真はブルックリンでのギグ。我らがアンソニー・リーが遊びにきてくれて2、3か月ぶりに一緒に演奏しました。こちらのトリオはもう長いこと一緒に演奏しているメンツ。ジャマイカ系のお店なので何曲かちょっとレゲエ風にアレンジした曲を演奏したけど、レゲエって難しい! 南米つながりですが、先日トリニダード・トバゴの領事館関係のパーティで演奏してきました。会場は自宅から徒歩15分。ラッキー。近所にこんな大きな会場があったなんて全然知りませんでした。辺鄙な場所になんと500人くらいのお客さんが続々と現れビックリ。しかもみーんなトリニダード・トバゴの人(か他の国のカリビアン)さすがNY。一歩入ればそこはもう異国。私たちの演奏なんてあっという間に終わってしまい、わたしたちの席にはゲスト用に用意された食器やグラスが。飲み物がつがれ、サラダが運ばれ、ウェイターに「サーモンにしますか?ステーキにしますか?」と訪ねられバンドみんな上機嫌。でもサラダが食べ終わり、パンを数個かじり続けてずーっと長いこと待たされていたらなにやらズンドコ、ズンドコとパーカッションの音が。ダンサーが入場、パーカッショニストが入場してその後ろをなんとトリニダード・トバゴの総理大臣が入場してきました。こんなところに??その後は宴も最高潮。10数人の見たこともないパーカッションを披露してくれたバンドが出てきたり、本場のリンボーダンスを踊るダンサー(高さ30cmのバーもくぐっちゃえるんですよ!すごかった!)、などなど見るもの全てが私には新しかったです。わたしたちなんて4日前くらいに雇われたのに、この集会のために他州や母国からここの会場にやってきた人もいたらしいです。日本からはほど遠いトリニダード・トバゴ。まるで別世界でした。辺りを見渡すとトリニダード・トバゴのイベントなのにサリーを着たインド人の用な姿の人もたくさんいました。実は彼らもトリニダード・トバゴの人。それこそ大昔、大航海時代からスペイン領になったり、イギリス領になったり、そのときに奴隷として黒人がアフリカから連れてこられたり、インド人もたくさん入ってきたりとしていたらしくその名残が残っているようです。カリビアン料理に「カレー○○」などカレーのスパイスが利いた料理があるのもその名残だとか。黒人の血、インド人の血、白人の血、ネイティブカリビアンの血が混ざりあった国なんですね。バンドメンバーがいろいろ教えてくれました。世界は広いですね。わたしも日本人として日本の歴史を勉強し直さないと。 なんて異国の雰囲気と料理を思う存分味わっていたら演奏終了してからすっかり3時間もたっていました。家でお腹をすかせて待っていた旦那さまをすっかり忘れてしまってました。ごめんなさーい。 ところで、最後にお知らせがあります。今年NY組は帰国しないので参加できないのですが、今年もUoU秋のツアーやります!なんと来週から始まります。今回はなんとUoUオルガントリオ!おもしろそうですね。私も見に行きたい!今回は北海道や九州までツアーするみたいですね。お近くの方はぜひ応援しに行ってあげて下さい。スケジュールはこちら。

夏も終わり?

 今年のNYの夏は涼しくてとても過ごしやすい避暑地のような気候の毎日です。30℃超える日がほとんどなく先日なんか秋のような陽気でした。暑かった日を見計らってビーチへ今年も行ってきました。バスで1時間半くらい行ったロッカウェイビーチ。いつもごみごみした都会の風景に囲まれているとこういう自然の力がみなぎるところへすごく行きたくなります。朝起きて大急ぎでおにぎりとサラダ、汗をかきながら唐揚げを揚げてお弁当も完成。潮風にあたりながら食べるお弁当は格別に美味しいからビーチに着いたそばからお弁当を食べたくてそわそわ。でもビーチの食いしん坊は私だけじゃなかったようです。私たちの後ろにビーチタオルを広げ無造作に荷物を放り投げて海へ走る5、6人の少年、少女たち。そこには荷物にまぎれてポテトチップスの袋が2つ3つ無防備に置き去りになっていました。さてこちらは陸に上がってきた大輔に許しを得て念願のお弁当タイム。頑張って作った甲斐があった!その辺で売っている油ぎとぎとのくせに割高のフライドチキンとは違ってなんて美味しそうな唐揚げ。そして日本人はやっぱり梅干しの入ったおにぎり。そしてサラダ。海を見ながらお弁当を堪能していました。そしたら急に後ろが騒がしくなったので振り返ると、15羽くらいの身体が大きく目の鋭いカモメたちが少年たちのポテトチップスに群がっているではありませんか!しかも慣れたような手さばき(くちばしさばき)で軽々袋を破き、みんなで賑やかにお昼ご飯。あららー、かわいそうに。。。なんて人ごとのように思いながら最高に美味しく出来た唐揚げを口にしていると上から出遅れたカモメ一羽の陰がすーっとわたしたちの上を通り過ぎた瞬間。べちょ!なんと大事に食べていた私たちの唐揚げの上に一発。しかも排泄物の大きさもこれくらいなら全然我慢できたでしょ?くらいの量。(文鳥を飼っていたのでよく知ってる)サラダの上ではなくなぜ?まだ食べられるかな??って思わず大輔に聞いてみるも「捨てよう。」と告げられ、本当にちょっと涙目になってしまった最近一番悔しかった出来事でした。 演奏の方は夏はのんびりペースですが、手術後無事復活していつものように楽しくしています。写真はハーレムにあるソウルフードのお店ロンデルスにて。ハーレムもここ数年でだいぶ白人が増えてきてお店の客層も数年前とはだいぶ変わってきています。こちらは先週末にあったドラマーPete Zimmerがリーダーのカルテット。ミッドタウンにあるSt.Peter’s Churchにて。神父の説教を挟んだまさにジャズとキリスト教のコラボ。NYならでは。広々としたモダンな教会の中に自分たちの音が響き渡ってとっても気持ちがよかったギグでした。最後の一枚。ミュージシャンいえども音楽ばかりの感性を鍛えていてはいけませんね。メトロポリタンミュージアムに行ってアートに触れてきました。住んでいるとなかなか行く機会がないのですが、こういう時間も大切ですね。夏の終わりはもう秒読み。今のうちに思いっきり楽しんでおこうっと。

バイバイ、モンスターズ 手術日記 その3

 ぱっと気がついたら元いたカーテンで仕切られたベッドの上でした。気づいたらすんごく身体が重くてビックリ!よく見てみるとそれはそのはず、鼻から酸素を送るチューブ、片腕には痛み止めの点滴、鎖骨の周りにはバーッといくつもの吸盤のようなもの(心電図用のものとみられる)、指にも洗濯バサミのような心拍を計る装置、血栓予防のための装置が左腕と両足に。その他もろもろいろいろくっついていて動けない!!耳元ではいかにも病院って言う感じの「ピーッ、ピーッ、ピーッ」という音が鳴り響いていました。でも痛み止めのおかげか、痛みはなし。私の目覚めに気づいてくれたナースがやさしく声をかけてくれて今何時か聞いてみてビックリ!もう午後の1時半とのこと。手術開始が午前8時くらいだったからその間の時間そっくりそのまま記憶がないんですね。全身麻酔ってもちろん初めてだったのでこれが当たり前のことなんだけど、とっても不思議な感覚がしました。なにしろ、昼寝して目覚めたときよりももっと時間感覚がないというか、大きな眼鏡の先生に頬をなでられたのがほんの10分前くらいに感じたので摩訶不思議。 ナースが待合室で5時間近く待っていてくれた大輔を呼んできてくれました。(本当におつかれさまでした)手術を終えたF先生が一足先に大輔に結果を教えていたようで、自信満々に手術大成功です!とのことで一安心。あまりに大きすぎるのう腫だったので片方の卵巣、卵管は切除する可能性がありますがいいですか?のような書類にサインをしたところだったので心配だったのですが、そちらも無事救えたとのことでした。本当に一安心。卵巣は肝臓と同じように片側だけでも問題なく機能するらしいのですが、ひとつになるとホルモンバランスも崩れる恐れがあり、更年期障害が人よりも早めにくる恐れや万が一生き残っているもう片方に問題が出てきたら妊娠もできなくなってしまうらしいのでがんばってくれたF先生に感謝です。 しかし!ここがアメリカ。今さっきまで数時間にも及ぶ大手術をしたのにも関わらず、なんと日帰りなのです!!日本だと腹腔鏡下手術だと前日から入院、3、4日は入院するらしいですよね。これからしばらくはベッドに寝て数時間ほど術後の検査をするらしいけど、本当に今日中にうちに帰るの?!と信じられませんでした。まだありとあらゆるコードや管がくっついて身動きも取れないのにほんの数時間で病院の外へ解き放たれるなんて全く自信がありませんでした。 気づいたら手術をしてくれたF先生が私のもとへ様子を見に来てくれ、状況を説明してくれました。そして「やっぱり入ってたわよ」って見せてくれた写真には銀の器に入ったグロテスクな肉片と髪の毛と歯!写真も先生に送ってもらったんだけど友達が減ってしまうといけないので非公開。まさにモンスター。あんなのたちがわたしのおなかのなかにずーっといたんだ。いなくなってくれて良かった。 しばらく暇になるのでカーテン越しなのでいやでも聞こえてくる周囲を観察することにしました。ぎゃー!ぎゃー!とこの世の終わりのように泣き叫ぶ赤ちゃんの声。隣にはいかにも良い子な推定5歳児がいる様子。強がりつづけてたけど何かをされた瞬間、まるで恐怖のどん底に落とされたような悲鳴をあげるから手術終わったこっちまで恐ろしくなってしまったり。そのまた隣には命が危ないんじゃないか?と思うくらい苦しもがいている女の人。でもどうやらその人も今日退院させられる様子。すごい。病院って滅多に来ないけど凄いところですね。 写真は病院からもらったゼリー。最初はリンゴジュースとクラッカーを出してもらったんだけど、隣の人がゼリーをもらっていることに気づいてゼリーをリクエスト。さらにあまりにおいしかったのでおかわりもりクエスト。ゼリーは私の大好物なんだもん。 そんなこんなしている間に数時間が経過し、大丈夫そうなので帰宅許可が出ました。まだ立ち上がってもいなかったのに着替えと靴を返され呆然。練習のためトイレへ自力で行くことにしました。案外歩けないものですね。ナースに手を取ってもらい歩く姿はまるで入院中のおばあさん。本当に帰れるのかしら? つながれたコードや管類をとってもらい、車いすで病院の下まで連れて行ってもらい、タクシーに乗るはよかったのですが、タクシーの荒い運転にNYのボッコボコの道路。そこで初めて手術をしたことが実感できました。ものすごく痛い!!なにより次の揺れが怖い!!もうあんな経験2度としたくないと思うくらい痛怖かった。 家に着いたのが夜の8時。長い一日でした。でもつらかったのはここからでした。 病院から薬は市販の痛み止め(しかも効き目のマイルドなやつ)を飲めと伝えられ飲んだのですが、全く効き目がなく、何をするのも痛いし、痛いのが怖いので動けないし、もちろんおなかには1センチほど穴が3つ、3センチほどの穴が一つと計4つも開いているんだから痛いに決まっています。なによりトイレに行くのが一番大変で歩いて数メートル歩くだけで痛い、座るの痛い、用を足すと軽い膀胱炎になっていたのか激痛が走りました。ベッドに横になるにも一人では無理だし、寝返りなんてもってのほか。じっとしてても痛いんだからどうしたらいいものか。ベッドから起き上がってトイレに向かって用を足すという一連の作業が苦痛でしょうがなかったので最後はベッドに戻れず食卓に座りながら寝ていました。 様子がおかしいと感じた大輔が病院に電話してくれたところ、病院側のミスであるはずの処方箋がだされていなかったとのこと!あれだけ確認したのに!!それじゃあ相当痛いはずですよ!なんて謝罪をされました。もう夜の11時過ぎ。その後24時間営業の薬屋さんに処方された薬を走って取りに行ってくれた大輔が神のようでした。やっぱり薬の効き目が全然違いました。 そんなこんないろいろありましたが、その後。Day 1 ご飯をちょっと食べられるようになるDay 2 寝返り+げっぷができるようになる(汚い話ですが、これができないとガスっぽくって眠ることも出来なかった)Day 3 シャワーを浴びられるようになるDay 4 一人で立ち上がることが出来るようになるDay 5 いつも座っていたソファーに座れるようになるなどなど。日頃行っていた当たり前の行動ができるということがなんてありがたいことなのか毎日実感できました。芋虫みたいにしか動けなかったのが、また人間に戻ることが出来ました。今はすっかり元気です。たくさんの方々に心配をおかけしてしまいましたが、今回のことで学んだことがたくさんあります。なんの症状がなくても自分の身体を見つめ直して積極的に検査に行ったり、日頃から食生活に気を使ったり身体のメンテナンスをしっかりすることは大事なことだと思いました。体中が痛い時って当たり前ですが、人のことなんて考えていられないくらい余裕がなくなってしまいます。なのでいつも元気で人に優しく楽しく生きて行く上で健康はかかせないものですね。そして今回手術前にたくさんの友達や家族から応援の言葉をもらったり、手術後にたくさんの連絡をいただきました。その言葉が何よりの励みになりました。人は一人では生きていない、みんな助け合わないと生きて行けません。みなさんのやさしい言葉が本当にありがたかったです。おかげさまで手術から今日で丸1か月。おなかの傷も完全に塞がって多少まだ疲れやすいですが、いつものように元気にベース弾いています。健康第一!長々と入院日記かいてしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。また今度いいニュースお知らせできるようにがんばります。写真はお見舞いにうちまで数日間遊びにきてくれたアライグマのお母さん。NYにアライグマなんてビックリでしたが(しかもうちに?)先日大雨が降る夜、4匹の赤ちゃんアライグマたちと通り向こうに引っ越して行きました。  

バイバイ、モンスターズ 手術日記 その2

 ついに手術が翌日に迫った6月11日。医者から夜の12時以降飲食は禁止といわれたので11時50分に最後のコップ一杯の水を飲んだ瞬間、手術への覚悟も決まりました。ここから手術が終わるまで何も口に出来ないのか、不思議な気分。 病院のチェックインは朝の6時なので翌朝は5時起きです。こんなに朝早く外を出るのは飛行機に乗るときくらい。案外たくさんの人が歩いていた。地下鉄に乗ってマンハッタンのアッパーイーストにある病院へ。クイーンズからマンハッタンへ出るとまだ薄暗く立ち並ぶお店のシャッターもまだ閉まっていました。そんな見慣れない街並を横目にわたしの気分も緊張から吹っ切れたのか、ひんやりした空気が清々しくも感じました。 病院に到着してチェックインを済ませ、カーテンで仕切られた部屋に通されて患者用のガウンと靴下を渡されて着替えるように言われ、中をあけてみるとアメリカのドラマや映画でよく見るような患者用のガウンが!まさかこれを自分が切るようになるとは思いもしませんでした。まだ全然痛くも痒くもなかったので余裕でした。問診が終わると手首に自分の名前と誕生日とバーコードが書かれたタグを付けられ自分が商品にでもなった気分に。 これはアメリカと日本の病院と違うのかどうかわからないけど、手術前に続々と今日お世話になる人たちが私のベッドの前に現れて紹介をされました。「こちらはドクター○○。ナイストゥミーチュー」「こちらはナースの○○さん。ハーイ」みたいな感じで5、6人くらいかな。知らない人ばかりに囲まれて訳が分からなくなっていたところになじみのあるわたしの手術を担当してくれる主治医のF先生が明るい声で「ハーイ!!具合はどお?」ってハグをしてくれホッとしました。F先生はきれいでまっすぐな目が印象的な女医さん。何一つ人を不安にさせることを言わずに患者の心まで元気にしてくれるくらいの先生です。この先生なら任せられると思わせてくれたから緊張もしなかったのかも。今回は全身麻酔で腹腔鏡下手術でおなかに小さい穴を4つ開けて行うとF先生から手術の内容を詳しく説明を受けました。片方ののう腫が大きいのでもしかしたら片方の卵巣を取ることになるかもしれないけど、なるべく救えるようにがんばるから!と先生が心強い一言を言ってくれました。 時間になって付き添いで来てくれた大輔と別れ、ちょっと心細くなったけどついに来たか!この時が!もうドキドキもしませんでした。 金髪のナースに「じゃあ行きましょう。」と言われ私はドラマみたいにてっきりガラガラとベッドのまま運ばれると思いきや、普通に歩いて手術室へ向かうことに。なんだかムードがないなあ。手術室への道には忙しそうにカルテを持って早歩きをするナースやたった今帝王切開で生まれたばかりの赤ちゃんをだいて嬉しそうな人などいろんなドラマがありました。 なんて周囲を観察している間に自分がお世話になる手術室へ到着。ドアを開けると研修医を合わせて10人くらいはいたでしょうか。こんなに大勢の人にお世話になるんだなーと関心する暇もなくまたさっきのように一人一人紹介される。部屋はまさにテレビで見る手術室。大きなライトが5つくらいバンバンバン!とついていてそこに照らされている私がさばかれるまな板。(まさにそんな感じでした) 早速横になりさっきナースに開けてもらった左腕の穴からなにやら薬を注入され、大きな眼鏡をかけた男の先生が「麻酔の前にリラックスをさせる薬を入れたからね」とその「ね」が聞こえた瞬間からウワってくるくらい目が回り始め先生に「目が〜回ります〜」って伝えたらよし、効いてる、効いてるみたいな感じで先生がまるで麻薬の密売人のようにも見えてしまいました。先生ごめんなさい!でも全て初体験なんだもん!そんなクルクルしている間に麻酔医が到着してそのリラックスする薬から麻酔に切り替えられ、顔を覆ってしまうくらい大きな酸素マスクを付けられ呼吸に困って2、3回深呼吸をしてその大きな眼鏡の男の先生が「よし、よし」と私のほっぺたを2回ほどなでてくれたのが最後の記憶でした。さあ、4時間の大手術を終え目を覚ましたらどうなっていたでしょうか。次回に続く。

バイバイ、モンスターズ 手術日記 その1

 お久しぶりの更新になってしまいました。先月はいろいろあって、先月いっぱい療養していました。とてもプライベートなネタなのでこの話をシェアするかしないか迷ったのですが、私自身いろんなブログを見て元気づけられたのでわたしもこの話をみなさんにシェアすることにしました。 実は2か月ほど前とあることから私のおなかの中になんと卵巣のう腫というものが出来ていたことが判明しました。痛みもなく何の症状もなかったので初めて聞いた言葉に「?」でした。卵巣囊腫というは字からもわかるように女性の病気。実は女性なら誰にでもおこる可能性がある病気だそうです。芸能人で言うなら宇多田ヒカルさんが同じ病気になって手術をしたことを公表しています。卵巣はサイレントな臓器とも呼ばれるらしくなかなか症状がでないそうです。だからドクターから卵巣囊腫があると聞いたときには「えー?この健康優良児のわたしが?」とビックリしました。 両側のアーモンドほどのサイズの卵巣の周りに片方はオレンジ、もう片方はなんとメロンと同じサイズののう腫が私のおなかの中に入っているとのこと。これまたビックリです。どこにそんなものが入るスペースがあるんだろうね??とドクター。確かにお腹いっぱいご飯を食べた後には妊娠しているくらいおなかがポコッとなっていたかもしれない。昔から痩せの大食いと家族から言われていたので胃下垂かとばかり思っていました。そんな大きなものを抱えて今までなんともなく生きてきたなんて!ここでさらにサプライズ。なんとその中身は私の分身。私の髪の毛やら歯やら脂肪なんかが入っているらしい。きゃー!!まるでモンスター。年始に空き巣に入られたときよりビックリしました。まさにブラックジャックのピノコです。あそこまでわたしののう腫の中身は充実していませんが、そんなことがあるものなんですね。幸いわたしののう腫は悪さをせずおとなしくしていてくれたのですが、人によってはのう腫がねじれて激痛を感じて救急車で運ばれて速攻手術、運が悪ければ卵巣が壊疽してしまうらしいです。恐ろしい!わたしもドクターから手術をして摘出しましょうと告げられました。ドクターは「いつがいい?」なんてOLが友人とランチの約束をするくらいカジュアルに手帳を見ながら手術の日取りを決めてくれました。手術。。。昨日まで一年に一度風邪を引くか引かないかの健康体。入院なんかしたこともないし、ケガして身体を縫われたこともないのに。病院なんてお見舞いの時か、予防接種、風邪引いた時くらいにしかお世話になってなかった。家族や友達には大丈夫、大丈夫なんて言ってたけど、内心は不安で不安で手術の日まで嬉しくもないカウントダウンが始まりました。アメリカの病院での初手術。音楽とは全く関係のないブログになってしまいますが、思い返してみるとおもしろいネタなので初体験日記を公開していこうと思います。もしよかったら読んで下さい。つづく。(ご心配をおかけしましたが、もうすっかり元気もりもりで先週から仕事復帰もしました!いつものように元気にベース弾いてます。) 

インターネットラジオと新しい音源

 もうあっという間に6月ですね。NYもようやく暑くなってきました。天気もいいし出かけたくなっちゃう陽気ですが、気が抜けてしまったのか2、3年ぶりに風邪を引いてしまい引きこもっています。お決まりで大輔まで具合が悪くなり、昨夜はふらふらしながら二人でハーレムまで演奏しに行きました。風邪の時の演奏は耳も頭も鈍くなるので本当にしんどい。前回風邪を引いたのは確か結婚式の後UoUのセカンドアルバムをレコーディングした時だったので久しぶりに怠いっていう感覚を思い出しました。やっぱり元気が一番ですね! 先日大輔が「人生は火曜日」というニューヨークから発信しているラジオ番組に出演しました。自宅までわざわざ来て下さり、のんびり楽しく収録をしてくださいました。家族や友人たちはうんざりするほど聞かされているネタかもしれませんが、いろいろ面白おかしく趣味や哲学を語っています。私もちょくちょく口を突っ込んでいますのでぜひ聞いてみて下さい。自宅での特別ライブ録音も最後に入っていますのでそれもぜひ聞いてみて下さい。  こちらは先月行われた阿部大輔トリオのニューヨーク公演の音源です。ライブで演奏したスタンダード以外の曲全曲載っています。大輔の新曲”New Journey”も入っています。新たな旅。プライベートでも新たなチャプターへ突入する意気込みが込められた曲です。まだ出来立てホヤホヤですが楽しんでいただけたら嬉しいです。わたしも新しい曲書かないとなあ。最新ライブ音源はこちらからライブに来られなかった方に少しでもニューヨークのライブの様子が伝われば嬉しいです。ぜひ聞いてみて下さい。